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相続が開始した場合、必ず「負債がないか」も確認しましょう

2015年12月22日

相続をする際には、預金や土地・建物などの「積極財産(正の財産)」だけでなく、借金や保証債務といった「消極財産(負の財産)」も同時に引き継ぐことになります。しかし、相続をするかどうかは、相続が開始したことを知った日から3か月以内に決定しなければなりません。それまでに、「被相続人にどれだけの債務があるのか」も確認しなければなりません。

 

相続方法には3種類あります

 

相続人は、相続が開始したことを知った日から3か月の熟慮期間内に、被相続人の財産を承継するかどうかの意思表示をしなければなりません。選択肢は「単純承認」、「限定承認」、「相続放棄」の3つの方法があり、「限定承認」、「相続放棄」は家庭裁判所にその旨を申述します。

 

単純承認は、積極財産・消極財産を問わず、全ての財産を相続します。

限定承認は、被相続人の財産を「積極財産の範囲内で消極財産を相続する」というものです。負債がどの程度あるのかが把握しきれず、財産総額がプラスになるのかどうかがわからない場合に活用することができます。ただし、限定承認は相続人全員で行わなければなりません。

相続放棄は限定承認と異なり、相続人それぞれが単独で行うことができますが、裁判所が認めたあとは原則として撤回することはできません。

 

以上のように、単純承認しなくてもよい制度になってはいますが、「負債が多額であるとわかっている場合」でなければ、安易に選択できるものではありません。

 

なお、熟慮期間内に相続財産の状況を確認したものの、決定できない合理的な理由がある場合には、熟慮期間を伸長することが可能です。ただし、熟慮期間の伸長は例外措置なので、基本的には3か月以内に判断できるようにしておきましょう。

 

 

被相続人は相続人のために負債の明細を作りましょう

 

人間誰しも、自分の借金のことは話しにくいものです。できることなら墓場まで持っていきたい話かもしれません。しかし、借金があることを誰にも明かさないまま死亡してしまった場合、相続人に迷惑をかけてしまいます。相続人は、被相続人の財産がどれだけあるのかを調べなければなりませんが、消極財産を見つけ出すのは非常に難しいです。見つけることができたとしても、全ての負債を見つけることができたと確信できるとは限りません。

そうなってしまわないようにするためにも、自分の負債について、しっかりとまとめておくことをおすすめします。あなたが死亡した後に見ることになる遺言書やエンディングノートに、「負の財産」の明細もつけておくようにしましょう。直接伝えることも大切ですが、言いたくなければ最低でも「負債の明細表」で確認できるようにしておいてください。

 

 

相続人は負債があるかもしれないという目線で

 

自分の借金の話をしたいと思わないのと同様、相続人も「相続財産はプラスのはず」という思い込みをしてしまいがちです。安易に全ての相続財産を引き継ぐ単純承認をしてしまい、後になって負債があった事が発覚するというケースもあります。まずは、負債がないかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。

 

ただ、資産と違って、負債は見つかりにくいものです。

借金があったり誰かの連帯保証人になっているといった場合は、通常は「金銭消費貸借契約書」や「借用証書の写し」などの書面があるはずです。しかし、ただの紙切れですから、多くの書類の中に紛れ込んでいる場合もあります。被相続人が遺したものは、できるだけ丁寧に全て確認するようにしましょう。

また、不動産の購入のために借入をしたのであれば、不動産登記に抵当権が設定されています。

 

しかし、整理がよくない状態であれば、負債の証明となる書類が紛失・破棄されてしまっている可能性も否定しきれません。もし、単純相続を決定したり、遺産分割をした後になって負債が見つかった場合はどうなるのでしょうか

 

後から見つかった負債は相続しなければならない

 

単純相続を選択した後に負債が見つかった場合、相続人はその負債も引き継がなければなりません。単純相続後に被相続人に負債があるとわかった時点で相続放棄に変更できるようにしてしまうと、債権者にとってあまりにも不公平になってしまうためです。

 

負債が見つかった後に相続放棄することが認められたケースもありますが、それは非常に特殊な事例です。昭和59年の判例によれば、3か月の熟慮期間であっても相続放棄できるのは、「相続人が被相続人に相続財産が全くないと信じた場合」に限られるとしています。

つまり、財産を持っている場合には、後から多額の負債が見つかったとしても相続を放棄することはできないと考えておくべきでしょう。

ということはやはり、自分の財産を相続することになる人たちのために、全ての負債を含めた財産目録を作成しておくことをおすすめします。

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