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相続した不動産の売却代金、共有持分通りに分けないと贈与税が発生!?

2016年3月22日

共有持分が決められていた財産を相続した方から、売却に関して次のようなご質問をいただいております。

 

Q.【ご質問】

亡父から受け継いだ土地を、最近売り払いました。

 

もう兄弟の間で、共有持分を無視して、その代金を平等に分け合いました。

 

所得税の申告をしようかと思っていたのですが、共有持分のために、払わなくてはいけない税金が増えてしまう可能性はあるでしょうか? 

 

<質問者様のご状況>

1.亡父が遺した土地は、売ると約12000万円になりました。

2.母はだいぶ前に亡くなっているので、相続したのは私と弟、妹の3人だけです。

3.「兄弟3人で平等に分けたい」と思って、2ヶ月前に弟と妹に4000万円ずつ渡したばかりです。

4.譲渡所得ができましたから、所得税の申告をすることになりました。

5.「共有持分」が決めてあったことは初耳でしたが、その内容は次の通りです。

長男(質問者)

2/5

次男(弟)

2/5

長女(妹)

1/5

 

土地を売った代金も、この「持分」のパーセンテージ通りに分けなくてはいけなかったのでしょうか? 

今から、何かの税金の支払いを要求されるような事態になってしまいますか? 

 

 

A.【ご回答】

共有持分が設定されていた財産を相続したのであれば、売却後の代金はその定めにしたがって分配する必要があります。そこは、まさにご推察の通りです。

 

ところがその代金を持分通りに分けていないとなると、差額については「贈与したもの」と、法の下では解釈されます。つまり、贈与税の対象になりますね。

 

その贈与税の金額ですが、次のような手順で計算することになります。

 

1.持分の指定にもとづいて、質問者様とご兄弟が受け取るべき金額を計算します。

 

12000万円×2/54800万円

12000万円×1/52400万円

 

質問者様と弟様は4800万円、妹様は2400万円です。

 

2.実際の分配内容との差額を計算します。

 

質問者様:4800万円-4000万円=800万円

弟様:4800万円-4000万円=800万円

妹様:2400万円-4000万円=-1600万円

 

3.差額にもとづいて、贈与の関係を整理します。

 

妹様は、質問者様と弟様から800万円の贈与を受けたことになりますね。

 

そのため、妹様には1600万円分の贈与税を納付する義務が生じるんです。

しかし質問者様は贈与税を払う必要はありません(譲渡所得の所得税だけでOKです)。

 

4.贈与税額を計算します。

 

1600万円-110万円(基礎控除額)=1490万円

 

1000万円超~1500万円以下の場合は、税率が45%で控除額が175万円ですから、

1490万円×0.45175万円=495.5万円

 

妹様は4955千円の贈与税を払わないといけないんですね。

持分の指定よりも1600万円余分にもらってしまった結果、その三分の一近い税金を徴収される、というわけです。

 

 

 

【今回のポイント】

1.共有持分が定められた資産は、換価した場合も、その持分に忠実に分けることが要求される

2.万一持分を無視した分け方をしてしまったときは、差額については「贈与が行われたもの」と判断される

3.特に不動産の場合は共有名義になっているケースが珍しくない。しかし歳月の経過とともにその詳細が忘れ去られてしまうことが多いため、売却の話が生じたら登記簿によく目を通すことが重要。

 

 

ご質問ありがとうございました。不動産を相続したときに売却を選ぶ方はたくさんいます。

この方法には「兄弟姉妹の間で均等に分けやすくなる」という利点がありますね。

 

しかし持分が設定されていたらその内容に適した売却計画を立てる必要があります。判断に迷うことがあるときは、迷わずOAG税理法人にお問い合わせくださいね! 

 

 

☆「共有持分」とは

2名以上の人物が、単一の資産を共同で所有するときに、各人が持つ権利の割合。

特に不動産に対して使われることが多いです。共有者は、共有する資産についてその持分に応じた利用をすることが認められます。しかしその資産の売却するときは他の共有者から同意を得る必要が生じます。

 

 

☆「譲渡所得」とは

所得税の区分のひとつ。不動産や有価証券等の資産を他者に譲渡して、その引き換えに発生した所得を指す言葉です。

ただし事業用の商品のような棚卸資産や金銭債権の譲渡に関しては、譲渡所得にはカテゴライズされません(事業所得や雑所得に該当するため)。

 

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