相続税・贈与税の基礎知識

相続税・贈与税の入門Q&A

全財産を他人にあげるという遺言書は有効?

ひと月前に夫が死亡しましたが、遺言書が見つかりました。内容を見ると全財産をまったくの他人にあげるというものでした。
こういった場合、相続人である私や子ども(長男と次男がいます)はなにも相続できないのでしょうか。

全財産をまったくの他人にあげるというような遺言書があっても、配偶者や子どもには、遺留分の減殺請求(民法で保障されている取り分を請求すること)ができます。

遺留分を受けることができる人

遺留分を受けることができるのは、法定相続人のうち、配偶者、直系卑属(子、孫等)、直系尊属(親、祖父母など)に限られます。ですから、兄弟姉妹には、遺留分を請求する権利はないことになります。

遺留分の額

遺留分の総額は、原則として被相続人の財産の2分の1です。ただし、相続人が直系尊属だけの場合は3分の1になります。遺留分の権利のある人が複数のときは、この遺留分の額を法定相続分で配分します。
したがって、ご質問の場合、配偶者と子供の遺留分の額は次のとおりとなります。

配偶者・・・・・被相続人の財産の1/2(遺留分の総額)×1/2(法定相続分)=1/4
長男・・・・・・被相続人の財産の1/2(遺留分の総額)×1/2×1/2=1/8
次男・・・・・・被相続人の財産の1/2(遺留分の総額)×1/2×1/2=1/8

遺留分の権利者と遺留分の総額

遺留分の権利者 相続人 遺留分の総額
兄弟姉妹以外の相続人 配偶者と直系卑属
配偶者と直系尊属
配偶者と兄弟姉妹
直系卑属のみ
配偶者のみ
被相続人の財産の1/2
直系尊属のみ 被相続人の財産の1/3

*遺留分の権利のある人が複数のときは、この遺留分の総額を法定相続分で配分します。

注意点

1.遺留分が侵害されている場合、遺留分の減殺請求といった請求の手続きが必要です。請求しなくても自動的にもらえるというわけではありません。
2.遺留分の減殺請求をする権利は、相続の開始を知った日から1年以内に行使しないと時効になってしまいます。