相続税・贈与税の基礎知識

相続税・贈与税の中級Q&A

未分割財産を譲渡した場合の所得税の申告はどうなるの?

遺産分割が決まる前に相続で取得する予定の財産を譲渡しようと思います。所得税の申告は、どのようにすればよいのですか。

相続が開始すると亡くなった人の財産をその相続人が、それぞれ相続するために遺産分割を行います。
そして相続により取得した財産を譲渡した場合には、その譲渡益について所得税が課税されます。
しかし、遺産分割がいろいろな事情でなかなか完了しないケースもあります。では、分割の完了していない(未分割)の財産を売却した場合の所得税の納税義務や申告はどうすればよいのでしょうか?

共同で相続した財産を、直接分割(財産について所有割合を決めて相続すること。)とせずに未分割の状態で換価し、その対価である金銭を共同相続人間で分割するというような遺産分割の方法は一般に換価分割といわれています。
相続人が複数いる場合で、相続財産について分割がされていないときは、民法上その相続財産について各相続人が共有で所有していることになります。
従って、未分割の財産を譲渡したときには、各相続人について法定相続分により取得したものとして譲渡所得の申告をする必要があります。

ただし、譲渡時には、未分割の状態であった場合でも譲渡所得の申告期限である翌年3月15日までに分割が整ったときは、各相続人の実際の取得割合に応じて譲渡所得を申告してもよい扱いになっています。

また、譲渡所得の申告期限後に遺産分割が整った場合には、実際の取得割合が、法定相続分と異なるときは、譲渡時においては、法定相続分で所有していたと認められるため、実際の所有割合による、修正申告(実際の取得割合が法定相続分を超え税額が増加する場合)又は、更正の請求(実際の取得割合が法定相続分を下回り税額が減額する場合)等の課税関係の是正はないと考えられます。