入院等で空き家になっていた場合の小規模宅地の特例は?
被相続人が相続開始直前に居住していた建物の敷地については、一定の要件のもと特定居住用宅地等に該当し、小規模宅地の特例により240m2までは80%の評価減が認められています。しかし、亡くなる「直前」は病気で入院していたり、老人ホームに入居していたりすることも多いと思われます。このような場合には特定居住用宅地等の要件である「被相続人の居住の用に供されていた宅地等」には該当しないのでしょうか?
<例1>入院により空き家になっていた建物の敷地について
Q.被相続人は相続開始前に病気治療のために入院し、一度も退院することなく亡くなりました。被相続人が入院前まで居住していた建物は相続開始直前まで空き家となっていましたが、その建物の敷地は相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するのでしょうか?
相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当すると思われます。
これは、病院の機能等を考えますと、被相続人がそれまで居住していた建物で起居しないのは一時的なものと認めるのが相当ですから、その建物が入院後他の用途に使用されていたような特段の事情がない限り、被相続人の生活の拠点はなおその建物に置かれていたと解するのが実情に合致すると考えられるためです。
<例2>老人ホームへの入居により空き家となっていた建物の敷地について
Q.被相続人は居住していた建物を離れ、老人ホームに入居しましたが、一度も退所することなく亡くなりました。被相続人が入所前まで住んでいた建物は、相続開始直前まで空き家になっていましたが、その建物の敷地は相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するのでしょうか?
個々のケースにより判断すべきものと思われます。
被相続人が居住していた建物を離れ老人ホームに入所したような場合には、一般的に被相続人の生活の拠点も移転したものと考えられます。しかし個々の事例のなかには、その者の心身の状況から介護を受ける必要があるため、居住していた建物を離れ老人ホームに入居しているものの、被相続人は自宅での生活を望み、いつでも居住できるように自宅の維持管理がされているようなケースがあり、このようなケースでは諸事情を総合的に勘案すれば<例1>の場合と同様な状況にあると考えられます。
そこで、次に掲げる状況が客観的に認められるときには、相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するものとして差し支えないものと思われます。
- 身体又は精神上の理由により、介護を受ける必要があるため老人ホームに入居することとなった
- 被相続人がいつでも生活できるよう、その建物の維持管理がおこなわれている
- 入所後新たにその建物を他者の居住の用などその他の用に供していない
- その老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人又はその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものではない
被相続人がご自宅を離れて生活されていたような場合には検討されてみてはいかがでしょうか。
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