平成20年度税制改正で何か変わる?
先頃、平成20年度の税制改正の大綱が発表されましたが、今年は、どちらかというと個人に関しての改正が多い感じがいたします。
ここ数年は、圧倒的に法人税関係の改正が多かったのですが、法人のほうは多少、一段落といったところでしょうか。
(1)株式売却、配当関係の改正
今回は、株式関係の改正が目に付きます。問題になっていた、上場株式の売却益についての税率は、現在、特例で10%となっていますが、20年の12月31日を期限としてこの特例は廃止されます。つまり、その後は、原則の20%ということになります。
上場株式の配当についても、特例の10%課税が同様に20年12月31日で廃止、その後は20%課税となります。
ただ、急激な改正の影響を考えて、緩和措置があるようです。最後までもめたようですが、21年、22年は500万円以下の売却益については、10%の税率のままのようです。同様に、配当についても、21年、22年は100万円以下の配当については、10%の税率となる予定です。
(2)上場株式の売却損と配当の損益通算
「金融所得の一体化」などと言われていますが、21年からは、上場株式の売却損と上場株式の配当との間で損益通算(相殺)ができるようにもなるようです。ただ、源泉徴収口座内で損益通算できるようになるのは、その準備もある関係で、22年からの予定です。
(3)事業承継税制の改正(非上場株式の納税猶予)
事業を行っている方(企業オーナー)の事業承継税制といったものもずいぶん変わるようです。種々の条件はあるようですが、相続した自社株の80%まで税金をかけない(猶予する)といった内容です。多少具体的に言うと、被相続人が会社の代表者で筆頭株主(被相続人と同族関係者で50%超の株式保有)、そして相続人も会社の代表者で筆頭株主になる(被相続人と同族関係者で50%超の株式保有)といったようなケースです。相続後は、会社を継続することが前提です。
なお、実際の改正は、21年度になるようです。
自社株を相続しても売るに売れない(買い手もつかない)し、相続税の納税で大変な方もいらっしゃいますから、使い易い内容になることが期待されます。
(4)相続時精算課税制度を使った住宅取得資金の贈与
相続時精算課税制度を使った住宅取得資金の贈与については、延長される予定です。
本来は19年12月31日までの特例でしたが、21年12月31日まで2年間延長されます。ですから、その間、親御様がお子様に住宅取得資金として贈与する場合は、相続時精算課税制度の2,500万円の非課税枠に1,000万円の非課税枠が追加されます。
実際に、この制度は、思った以上に利用している方が多いので朗報だと思います。
(5)土地についての登録免許税
土地についての登録免許税についても改正になる予定です。
土地の所有権の移転や土地の所有権の信託については、現在、特例が置かれており、本則(2.0%)に比べて2分の1になっています。これが、段階的に引上げられるようです。具体的には、所有権の移転については、21年3月31日までは、従来どおり1.0%ですが、その後、21年4月1日から22年3月31日までは1.3%、22年4月1日から23年3月31日までは1.5%となります。
また、所有権の信託については、21年3月31日までは、従来どおり0.2%ですが、その後、21年4月1日から22年3月31日までは0.25%、22年4月1日から23年3月31日までは0.3%となります(本則は0.4%)
今後、これらの税制改正大綱の内容が法案化されるわけですが、内容的には、大きな修正はなく法案になるのが通常です。例年であれば、3月中には国会で承認され正式に施行といった運びになると思います。ただ、現在、衆議院と参議院が与野党逆転してますからこの辺が、多少影響があるかもしれません。いずれにしても、今後の動向に注目です。



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