相続人に未成年者がいる場合の手続き
今回は、相続人の中に未成年者がいる場合の遺産分割協議についてのお話です。
民法では、未成年者は法律行為を行う能力が不完全であるとされています。(民法5条) よって、未成年者本人が法律行為である分割協議に参加することは出来ません。
では、相続人が未成年者の場合、分割協議はどうすればよいのでしょう?
(1)【親が「法定代理人親権者」として分割協議に参加出来る場合】
相続人が未成年者の場合、通常はその未成年者の法定代理人である親権者(親)が未成年者(子供)に代わって分割協議に参加します。

未成年者Cの親権者であるBが法定代理人として分割協議に参加します。
代襲相続人についてはこちらを参照ください。
(2)【「特別代理人」選任の申立てが必要な場合】
次のa、bのような場合には、家庭裁判所に「特別代理人選任の申立て」を行います。
家庭裁判所の審判によって選任された特別代理人が、未成年者に代わって分割協議に参加し、遺産分割協議書に署名・押印することになります。
a.≪未成年者と親権者の両方が相続人の場合(民法826条1)≫

未成年者Cの母親(親権者)であるBも相続人であるため、相続人としてのB自身の利益と代理人としてのCの利益が対立することになります。このことを「利益相反」といい、母親が子供の代理で分割協議を行うと、母親は自分の都合のよいように子供の利益を調整することも出来てしまうことになります。
b.≪親権者を同じくする未成年者が2人以上いる場合(民法826条2)≫

未成年者C及びDの母親(親権者)であるBは、C又はDのうちいずれか一人の代理人にしかなれません。仮に、母親BがCの代理人になったとしたら、Dについては①のケースと同様に特別代理人の選任が必要となります。
もしも、母親がC・D両方の代理人になれたとしたら、Cの利益とDの利益が対立することになってしまうからです。
(3)家庭裁判所への手続き方法
上記(2)のように利益相反にあたる場合には、親権者が申立人となって未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所に「特別代理人選任の申立て」を行います。
【提出書類】
1.特別代理人選任申立書
(書式は裁判所のホームページからダウンロード可)
2.申立人(親権者)及び未成年者の戸籍謄本各1通
3.特別代理人候補者の戸籍謄本、住民票各1通
4.遺産分割協議書(案)
実際の分割協議書には、未成年者に代わって署名・押印した特別代理人が正式に選任された特別代理人であることを証明するために、審判書を添付することになります。分割協議書は、不動産の相続登記など名義変更をする場合に必要となります。
申立てをしてから所定の手続きを経て、家庭裁判所の審判が下りるまでにはある程度の期間(通常1か月程度)がかかります。相続人に未成年者がいる場合には、特別代理人選任の申立てが必要なケースかどうか?を確認され、必要な場合には早めに手続されることをおすすめします。



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