眠るタンス株はありませんか?
…名義変更未済の株券は権利喪失の恐れも…
今この週刊相続情報をお読みいただいている皆様、あるいは皆様のご両親や祖父母の方々が、持っていることすら忘れてタンスにしまい込んでいる株券があるかもしれません。
「何年か前まで配当金の支払通知が届いていたような気がする」、「先代から相続したけれど名義変更していないかもしれない」、というようなご記憶はありませんか?
上場会社の株券についての電子化が、来年(2009年)1月実施に向けて進められています。
株券電子化とは、「社債、株式等の振替に関する法律」により、上場会社の株式等に係る株券をすべて廃止し、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理を、証券保管振替機構及び証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行うこととするものです。
つまり、上場会社の株券そのものは、電子化実施後は無効となり、株主の権利が証券会社などの金融機関の取引口座で電子的に管理されるようになるのです。
電子化が実現すれば、株券の紛失や盗難などのリスクがなくなりますし、売買の際に株券を受け渡したり株主名簿の書替申請をしたりすることが不要になるなど、株主にとってのメリットは大きいです。すでに上場株式全体の8割は証券保管振替機構(ほふり)に預託されており、預託済の株券は新制度の施行日にそのまま電子化されるので、株主側の手続きは不要です。
しかし、新聞等の報道によりますと、2007年9月末時点で自宅や貸金庫などで自ら保管しているいわゆる「タンス株」は約140億株、全上場株式数の約4%を占め、株主数は100万人〜300万人といわれています。そのなかで特に重要なポイントは、「譲り受けたまま名義変更をしていないタンス株」です。
株券が電子化されると、預託していない株主の権利は株主名簿の名義人にあるものと扱われ、上場会社が信託銀行などに開設する「特別口座」に管理が移ります。特別口座を開設した会社は名義人に通知する予定とのことですが、名義変更していない保有者には通知は届かないものと思われます。株券を持っていても名義変更しないと株主の権利を失いかねません。
タンス株はご高齢な方がお持ちであるケースが多いものと思われます。この機会に是非一度、ご家族皆様で確認されることをお奨めします。
また、同じ「タンス株」として、いわゆる「名義株」についても注意が必要です。名義株とは、例えば「祖父が孫の名前で上場株式を購入、株券の管理や配当金の受け取りは祖父が自らおこなっている」ような場合の株式のことを言います。
従来は孫名義の現物株券を祖父が「所有」していても特に支障はなかったものと思われます。しかし、株券電子化によって現物の株券に価値が無くなり、株主の権利は名義人にあるものとして扱われるようになりますので、このままでは祖父の「所有」継続はできなくなります。名義変更をして実際の所有者である祖父名義にしてから証券会社等に預託する方法と、名義変更はせず孫名義のまま預託する方法がありますが、後者の場合、株式の時価による贈与となり、金額によっては贈与税が課税されます。こちらの「名義株」についても是非ご確認ください。
なお、名義変更等についての詳細は、所有する株式の事務手続きを扱う信託銀行やお近くの証券会社へお問い合わせ下さい。



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