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週刊「相続情報」

21年度税制改正・相続税課税方式の変更(予定)(1)

1 現行の法定相続分課税方式とその問題点
現行の法定相続分課税方式では、特例(例えば、小規模宅地の特例・被相続人
自宅敷地を80%減額等)を適用した場合、それを適用する相続人の相続税の減額
だけではなく、他の相続人の相続税まで減額の影響が及んだり、また、ある相続人
の申告漏れによる相続税の増加が、他の相続人にも影響を及ぼす等の問題点が指
摘されています。

2 現行の課税方式と改正により導入予定の遺産取得課税方式の違い
遺産課税取得方式は、相続人各人が実際に取得した財産の合計額に対して税率
を掛け、それぞれの税額計算をすることになります。ドイツやフランス等がこの課税方
式を採用しています。したがって、相続財産の総額に関係なく、相続人の取得した財
産が決まれば、相続税額が算定できます。
一方、現行の課税方式は、相続財産全体を一旦、法定相続分で各相続人が相続
したと仮定し、計算した相続税額を合計し、その合計額を実際に相続した取り分に応
じて按分し、各相続人の最終的な相続税を算定しています。そのため、相続財産全
体及び各相続人の取り分が分からないと計算ができないことになっています。


実際の相続税への影響ですが、法定相続分どおりに財産を取得した下記の例で見てみると、改正後は、相続税の総額は現行の法定相続分課税方式と同額になりますが、各人ごとの相続税は違うことになります。
財産を多く、相続した人の方が、税金の負担割合が多くなり、取得した財産の少ない相続人は、相続税の負担割合が低くなっていることが分かります。
(注)課税方式の変更に合わせて、基礎控除
(現行・5,000万円+法定相続人の数×1,000万円)も改正される予定です。

《例:10億円を法定相続分で取得した場合の比較》

○ 相続人は、配偶者及び長男、長女
【現行】
(1) 配偶者の相続税額・・・1億6,650万円
(2) 長男の相続税額・・・・8,325万円
(3) 長女の相続税額・・・・8,325万円

(1)+(2)+(3)=合計3億3,300万円

【遺産取得課税】
(1)配偶者の相続税額・・・1億8,300万円
(2) 長男の相続税額・・・・7,500万円
(3) 長女の相続税額・・・・7,500万円

(1)+(2)+(3)=合計3億3,300万円

(計算内容)
配偶者・・・(5億円―8,000万円×1/2)×50%-4,700万円=1億8,300万円
長男・・・・(2億5,000万円―8,000万円×1/4)×40%-1,700万円=7,500万円
長女・・・・(2億5,000万円―8,000万円×1/4)×40%-1,700万円=7,500万円

※ 税率及び基礎控除総額は現行どおりと仮定。なお、遺産取得課税では、
基礎控除総額(8,000万円)を法定相続分で按分して計算。
配偶者の税額軽減前の金額。


次回は、法定相続分以外の割合で相続した場合の例をご紹介致します。