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週刊「相続情報」

被相続人の準確定申告で、純損失が発生してしまった場合

 所得税は、個人単位課税を原則としているため、被相続人について発生した純損失を相続人が引き継ぐことはできません。
 「純損失の繰越控除」は応能負担の原則に基づいて、個人の所得額の変動による不合理を次年度以降と平均化することにより緩和する趣旨で設けられています。
 しかし、相続開始の年及びその前年に発生した被相続人の純損失は、被相続人の相続発生後の将来の所得というものがないため、「純損失の繰越控除」ができませんので、相続開始の年の前年及び前々年に繰り戻して所得税の還付を受けることになります。


1. 相続開始年に純損失が発生した場合
  被相続人の死亡の年において発生した純損失は、前年の所得税について青色申告
 書を提出している場合には、原則として準確定申告期限までに青色申告書と還付請求
 書を同時に提出することにより、前年分の所得税について純損失の繰り戻し還付請求を
 することができます。

2. 相続開始の年の前年に純損失が発生した場合
  相続開始の年の前年において発生した純損失は、前年と前々年の所得税について
 青色申告書を提出している場合には、まず相続開始の年の所得から純損失を控除し、
 控除しきれない純損失については相続開始の年の前々年の所得税について純損失の
 繰り戻し還付請求を準確定申告期限までにすることができます。


3. 計算例
(1) 相続開始年に純損失が発生した場合

   図:相続開始年に純損失が発生した場合

  【前年分】600万円-500万円=100万円(課税所得)
       ∴500万円の課税所得減少に対する繰り戻し還付請求


(2) 相続開始の年の前年に純損失が発生した場合

   図:相続開始の年の前年に純損失が発生した場合

  【相続開始の年分】300万円-300万円=0万円(課税所得)
           ∴純損失の繰越控除

  【前々年分】   100万円-100万円=0万円(課税所得)
          ∴100万円の課税所得減少に対する繰り戻し還付請求(残額は切捨て)