裁判員等に支給される旅費等は確定申告が必要?
平成16年5月21日に成立した「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」に基づき、裁判員制度が平成21年5月21日から実施されます。これに伴い、平成21年の裁判員候補者名簿に登録された方に対しては、平成20年11月28日に「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」が送付されました。
この名簿に登録された方の中から、事件ごとにくじで裁判員候補者が選ばれ、辞退が認められる場合を除き、選任手続期日に裁判所に出頭し、裁判員(このほか必要な場合は選任予定裁判員、補充裁判員)が選任されることになります。
なお、70歳以上の人、学生・生徒などのほか、重い病気やケガ、親族・同居人の介護・養育、事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じる恐れがあるなど、やむを得ない理由があると認められる場合に辞退が認められます。
裁判員候補者として裁判所に出頭した方や、裁判員として選任された方(以下「裁判員等」といいます。)に対しては、旅費・交通費、日当(以下「旅費等」といいます。)が支給されます。
支給される旅費・交通費の額は、原則として最も経済的な(安価な)経路・交通手段を利用した場合の金額とされ、日当の額は、選任手続や審理・評議などの時間に応じて、裁判員候補者・選任予定裁判員については1日当たり8,000円以内、裁判員・補充裁判員については1日当たり10,000円以内の金額とされています。
この旅費等は、税務上、労務提供の対価として使用者から受ける給付とはいえないことから給与所得には該当せず、また、実費弁償的な対価としての性質を有していることから一時所得にも該当しないため、雑所得として取り扱われ、その支給合計額を総収入金額に算入し、実際に負担した旅費及び宿泊料、その他裁判員等が出頭するのに直接要した費用の額の合計額を必要経費に算入して、雑所得の金額を計算することになります。
年収2,000万円以下の給与所得者については、給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、所得税の精算は年末調整で完結するため、確定申告は不要とされていますが、給与所得者がこの旅費等の支給を受けた場合はどうなるのでしょうか。
裁判員制度による審理日数は事件の約7割が3日以内に終了すると見込まれており、支給される旅費等の金額が20万円を超えることは稀であると予想されます。ですから、裁判員等に選任された給与所得者は、通常、確定申告は不要となると考えられます。ただし、確定申告が不要となる場合であっても、住民税の申告は必要となることに注意が必要です。



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