賃貸物件の負担付贈与
アパートやマンションなどの賃貸物件を贈与する場合、通常の贈与と異なる扱いになる場合があるので注意が必要です。
賃貸契約を結ぶ際、一般的に貸主は借主から敷金を預かります。
この敷金とは、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保する目的で、借主が貸主に
支払うものです。
賃貸借契約が終了する際に、借主に債務の不履行がなければ、敷金は明け渡し時に
返還されます。
(ただし敷金については地方間で考え方に差があります。敷金が権利金として扱われ、
契約終了時に返還されないこともあるようです。)
つまり敷金とは預かり金的性格を有しているといえますが、賃貸物件を贈与する場合で
敷金があるときは、敷金の引継ぎがなくても当然に受贈者に引き継がれるものと解釈されます。
ここで、賃貸物件の贈与と同時に敷金相当額の贈与も行っているときは、一般の贈与と同じ取り扱いになります。
注意すべきは賃貸物件の贈与と同時に敷金相当額の贈与が行われないときです。
この場合は敷金相当額の「負担付贈与」があったものとして取り扱われることになります。
負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与を
いいます。
負担付贈与があったときは、贈与財産の価額の合計額から債務負担額を控除した価額
に課税されることになります。
この場合の課税価格とは、相続税評価額ではなく、贈与時における通常の取引価額
(時価)に相当する金額から、負担することとなる債務額を控除した価額によることに
なっています。
つまり、賃貸物件の贈与と同時に敷金相当額の贈与が行われないときは、負担付贈与
があったものとして、賃貸物件の贈与時の通常の取引価額(時価)から、敷金相当額を
控除した価額をもって評価することになります。
この際、結果として贈与者は敷金相当等の債務を負担しなくてもよいことになるため、
債務部分に譲渡所得税が課されることになるので注意してください。
(賃貸物件の取得費≧敷金の場合には譲渡所得税はゼロになります)
ただし、賃貸物件と同時に敷金も贈与する場合、あるいは賃貸物件の贈与と合わせて
敷金相当額を現金精算した場合は、負担付贈与には当たらず、通常の贈与税の計算となります。



![OAG[チーム相続]](../../images/header_logo.gif)