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週刊「相続情報」

小規模宅地等についての税制改正
~事例3 相続税の申告期限まで事業又は居住を継続しない場合~

 今週は、小規模宅地等の税制改正の詳細事例の第3回目(最終回)となります。
今回は、「相続税の申告期限まで事業又は居住を継続しない場合」についてです。


【概要】
  被相続人は自己が所有するA土地で八百屋を、B土地でアパート賃貸業を
 それぞれ営み、C土地で一人暮らしをしていました。
 相続人は長男1人で、被相続人の遺産をすべて相続しましたが、
 相続税の申告期限を待たずにこれらの土地すべてを売却していました。
 それぞれの土地の面積及び相続税評価額は次のとおりでした。




【改正前】
  A土地、B土地、C土地はすべて被相続人が事業又は居住していた宅地等に
 該当し、小規模宅地等の減額の適用は受けられますが、減額対象となる面積は
 200㎡まで、減額割合は50%となります。

  (1) 小規模宅地等の減額金額
    ① A土地:5,000万円(50㎡)×50%=2,500万円
    ② B土地:10,000万円(100㎡)×50%=5,000万円
    ③ C土地:5,000万円(50㎡)×50%=2,500万円

  (2) 相続税が課税される土地の価額
    ① A土地:5,000万円-2,500万円=2,500万円
    ② B土地:10,000万円-5,000万円=5,000万円
    ③ C土地:5,000万円-2,500万円=2,500万円
    ④ ①~③の合計=10,000万円


【改正後】
  A土地、B土地、C土地はすべて被相続人が事業又は居住していた宅地等に
 該当しますが、相続税の申告期限まで事業又は居住が継続されていないため、
 小規模宅地等の減額の適用が受けられません。

  (1) 小規模宅地等の減額金額
    適用ありません。

  (2) 相続税が課税される土地の価額
    ① A土地:5,000万円
    ② B土地:10,000万円
    ③ C土地:5,000万円
    ④ ①~③の合計=20,000万円


【改正前後の相違点】
  改正前においては、被相続人が事業又は居住していた宅地等であれば
 小規模宅地等の減額の適用対象となったのに対し、改正後においては、
 たとえ被相続人が事業又は居住していた宅地等であっても、その事業又は居住が
 継続されていなければその適用対象として認められないこととなりました。
 (一部例外があります。)

 この改正により、小規模宅地等の減額の適用を受けようとする宅地の選択肢が
 少なくなるとともに、場合によっては相続税の負担が増加することも考えられます。