相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度と従来の制度との違い

従来からも贈与財産を相続財産に加算する制度はありますが、あくまでも相続開始前3年以内のものに限られます。これに対し、相続時精算課税制度は、この制度を選択後の贈与について適用があります。
また、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の時価となりますが、これは従来からの3年以内の贈与財産の加算制度と同じです。
なお、従来からの3年以内の贈与財産の加算制度が、納付した贈与税が相続税を超える場合でも還されない(納付した贈与税額を相続時に精算する趣旨で採られている制度ではないため)のに対し、相続時精算課税制度では、同様な場合は、還付を受けることができます。両者の違いを表にすると次のようになります。

従来からの制度と相続時精算課税制度の相違

従来からの制度(3年以内の贈与加算) 相続時精算課税制度
贈与者の年齢 制限なし 65歳以上(注)
受贈者の年齢 制限なし 20歳以上(注)
相続時の加算財産 相続開始前3年以内のもの 制度適用後のもの
贈与財産の加算額 贈与時の時価(相続税評価額) 贈与時の時価(相続税評価額)
相続税 差額分は還付されない 差額分は還付される
贈与財産からの債務 控除できない 控除できる

(注)贈与の年の1月1日現在で判定します。

非課税枠の相違
従来からの制度 相続時精算課税制度
非課税枠 110万円 2,500万円

相続時精算課税の特徴

  1. 贈与者ごとの選択
    相続時精算課税制度は、贈与者ごとに選択できます。例えば、父からの贈与については相続時精算課税制度、母からの贈与については従来の贈与制度を適用することもできます。また、長男が相続時精算課税制度を選択しても次男が同様にその制度を選択する必要はなく、各人の任意です。
    図:贈与者ごとの選択
  2. 贈与者、受贈者の条件
    この制度の適用を受けられる贈与者は、65歳以上の親、受贈者は20歳以上の子(子が先に死亡している場合はその子(孫))です。養子も実子と同じあつかいで、その人数には制限はありません。
  3. この制度を受けるための手続き
    この制度の選択をしようとする受贈者(子)は、この制度を適用する最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に所轄の税務署に贈与税の申告をおこないます。その際に申告書にこの制度を適用する内容の届出書を添付します。
  4. 制度選択後の撤回
    最初の贈与の際の届出により相続時までこの制度は継続して適用されます。選択したことの撤回はみとめられません。そのため、いったん選択すると、その後は一般贈与(基礎控除110万円)は選択できなくなります。
  5. この制度の対象財産、贈与回数
    贈与財産の種類、金額、贈与回数には、制限はありません。
  6. 贈与財産の物納
    従来からの制度では、相続開始3年以内の贈与加算される財産は、物納が可能です。しかし、相続時精算課税による贈与財産は物納ができません。

【参考:相続時精算課税を選択した受贈者が先に死亡した場合】

相続時精算課税を選択した贈与を受けた人が先に死亡した場合には、贈与を受けた人の相続人がそれらの権利義務を承継します。また、この場合、相続人が贈与者である場合には、その贈与者は贈与を受けた人の権利義務は承継しません。

図:相続時精算課税を選択した受贈者が先に死亡した場合(例1)

※Aの負担する甲の相続時の相続税は相続人であるBとCが承継します(B2分の1、C2分の1)。

図:相続時精算課税を選択した受贈者が先に死亡した場合(例2)

※Aの負担する甲の相続時相続税は、相続人であるBと乙が承継します(B3分の2、乙3分の1、甲はAの相続人であるが贈与者本人であるため承継しません)。

OAG[チーム相続]OAG税理士法人

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生前贈与・相続対策プロジェクトZ

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