OAG[チーム相続]サービスご案内

事例レポート「相続の現場」 事例02

共有相続した不動産の後始末

相続人の皆さんは、父親が亡くなったときに遺産である自宅(300坪)を母親と子ども4人の共有(法定相続分)で相続登記しました。
今回母親が亡くなり、遺言では母親の持分を子ども4人に各4分の1ずつ相続させる内容になっていました。

父親が亡くなった際は、法定相続分で相続したとのことですので、母親が2分の1、子どもが各人8分の1の共有で相続されました。
その後、母親が亡くなった際には、遺言により母親の2分の1の持分を4分の1ずつ相続することになります。
この結果、子ども4名が各4分の1の共有持分を所有していることになります。

子どもの中には土地を売りたいという人もいますし、土地を担保にお金を借り入れて自宅を建て替えたいという人もいます。
現状ではなにをするにも各子ども(兄弟)の印鑑が必要ですが、不仲のため了解を得られない状況です。

そのため、この共有状況を解消するための方法を検討しました。


相続登記の完了後、「共有不動産を現物分割」する。

共有で所有している場合で、金融機関などから借入れをするために土地を担保提供するときは、他の共有者の了解を得るため印鑑が必要になります。
また、売却して換金したい人にとっては、他の共有者が売却に同意してくれなければ、価値のない土地を所有しているのと変わらない状況になります。

不動産の共有状況を解消する方法は、

  • 不動産そのものを現物分割により単独所有にする方法
  • 他の共有者の持分を買い取る方法
  • 共有物を売却して代金を分ける方法が考えられます。

今回のケースでは、自宅として利用している土地が300坪と広く、現物分割をしても分割後の土地が75坪あるため単独利用が可能であると考えられます。

なお、土地の全体が40坪程度であるなど、現物分割をしたら分割後の土地を利用できなくなってしまうような場合には、現物分割をせずに他の共有者からの買い取りや、他への売却を検討した方がよいと考えられます。

「共有」

共有とは、一つの物を「持分」という割合(○分の○もしくは○○%)で持ち合っている状態をいいます。
各共有者はその物に対し、持分は違っていても全員が同じ立場で何%かずつの所有権を持っていることになります。
ただしこの場合は、持分の割合は決まっていても、持分の部分(例えばマンションならば、この部屋は誰々のものというように)は決められていない状態のことをいいます。
したがって、共有している物の処分(売却など)や変更(改造など)をするには共有者全員の同意が必要です。

「共有物の分割」

共有物の分割とは、共有物を持分の割合に応じて分割することをいい、各共有者はいつでもその分割を他の共有者に請求することができます。
分割方法には、現物分割、換価分割代償分割などがあります。このうち現物分割については、効用を一にする一個の共有資産をその共有持分に従って現物で分割した場合には、その分割は資産の譲渡には該当しない(その分割について譲渡所得課税や贈与税課税はおこなわれない)という取扱いがあります。
ここでいう共有持分に従った分割とは、例えばその資産が土地の場合、必ずしも面積だけを基準として分割する必要はなく、その価額に応じて分割面積を定めたとしても、その面積算定が合理的になされたものであれば、これが認められることになります。