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事例レポート「相続の現場」 事例06

相続した使用貸借の土地はいつでも100%評価?

相談者(甲さん)の父(東京都杉並区に在住)は、平成20年の6月に他界しましたが、所有している土地の中に、父の弟と父の伯父に貸している土地(東京都杉並区)がありました。それらの土地は、各々の自宅の敷地となっており、地代はもらっていませんでした。

土地の貸借の経緯は古いことなのでよくわかりませんが、現状では立ち退きさせることは不可能だと甲さんは感じています。

ただで貸しているような土地は、相続税の計算をする際、更地評価(100%評価)だと聞いており、自分のようなケースもそうなってしまうのか、そうだとすると、これらの土地は場所がいい所にあるので、相続税の納税がかなり大変になる、と甲さんは心配されていました。


使用貸借の土地の評価は、土地を貸し始めた時期によって評価が違う。時期によっては底地評価になる。

親族間での土地の貸借は、一般的には使用貸借で契約書等も無いのが実情だと思います。甲さんのケースでは、甲さんの父がいつ頃から貸し始めたかは、不明ですが、建物の登記上、建築年は次のとおりでした。

●弟の自宅 昭和39年
●伯父の自宅 昭和32年

使用貸借が行われていた場合の土地評価は、原則として更地評価(100%評価)です。それは、税務上、使用貸借による土地の使用に関する権利は、借地借家法等の適用がないため、借地権と比較して極めて微弱な権利であり、その経済的な価値はないものとされているためです(昭和48年11月1日付 直資2-189 使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて)。

上記、が原則的な取扱いですが、この取扱いが全国的に統一されたのは、昭和48年の前述の通達施行後です。それまでは、時期的、地域的に統一がされておらず、土地の使用貸借が行われた場合でも、借地権を贈与したとして贈与税の課税が行われていた時期もありました。

そのため、これらの調整を図る必要上、経過的な扱いが別に定められ、使用貸借が始められた時期等に応じ借地権の有無の判定が行われています。

ご相談の内容では、建物の建築時期を使用貸借が始まった時期と考えれば、弟、伯父いずれも借地権の課税が行われていた時期に入る(実際に借地権の課税が行われたかどうかまでは問いません)ため、結果として今回の相続税における土地評価は底地(貸地)評価になります。

なお、各国税局の管轄ごとに課税の行われていた時期が異なる場合がありますので注意が必要です。