自宅売却は共有が有利
相談者の甲さんは、単独所有の自宅建物と妻乙さんと共有の自宅敷地を所有し、居住しています(持分は下図のとおり)。甲さんはかなりの高齢になり、子供もいないことから、乙さんと伴に病院の併設する老人ホームに入居することを予定しています。
そこで、この自宅の売却を考えていますが、取得が昭和30年代であったためかなりの売却利益が想定されます。老人ホームの入居費用もかなりな額になることから、できるだけ出費を少なくしたいとのことでした。
自宅を売買した場合の3,000万円控除の特例は、建物が共有なら2倍まで可能。
甲さんと乙さんの自宅の所有状況は、次のとおりでした。

ご自宅(居住用財産)の売買には、3,000万円までの利益について特別控除が適用できますが建物所有者に限られているため、現状では甲さんしか適用になりません。
そのため、建物の一部、例えば1/3を甲さんから乙さんに贈与し、その後、売却することで、甲さん、及び乙さん両者が3,000万円の特別控除が適用できると考えられます。
つまり、居住用財産の譲渡についての3,000万円特別控除の対象となるものは、譲渡者がある程度の期間継続的に居住する意思をもってこれに起居し、生活の本拠としている家屋(及び敷地)をいうものとされています。そして、この特例の適用を受けるための目的で一時的に入居した家屋(及び敷地)については、特例の対象とならないとされています。
甲さんと乙さんのケースでは、両者伴に従来から本物件に居住しており、特例を適用することのみを目的として一時的に入居したとは考えられません。そのため、贈与により建物を取得し、その直後に本物件を売却したとしても3,000万円の特別控除は適用できるものと考えられます。
なお、建物の贈与については、固定資産税評価額が300万円であるため、その1/3を贈与しても贈与税は基礎控除(110万円)の範囲内のためかかりません。登録免許税、不動産取得税の負担は生じます。




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