Special Issue01

相続税専門の税理士が必要な理由

相続税の納税額は、その申告書を作成する税理士により大きな差が生じます。仮に一つの相続税申告手続きを複数の税理士が別々におこなったとしましょう。同一案件ですから当然、遺産も同じ、相続人も同じ、その他諸々条件はすべて一緒であるにもかかわらず、申告業務を手掛ける税理士が違うだけで、ただ一点「税理士が違う」というだけで、相続税の納税額に明らかな差がでてくるのです。

理由1:財産評価の考え方ひとつで相続税額が変わる!

相続税の申告は、事前の対策も含め、だれがおこなっても同じというわけではありません。
その理由には、相続税申告作業の中心となる財産評価についての考え方にかなりの幅があるということが一つあります。
相続の直前でも何ができるかを追求する視点、いざ相続が起きたときの財産評価の方法など、担当税理士の知識、知恵、ノウハウの差が、納税額に大き影響するケースが多々あります。

理由2:創意工夫をこめた遺産分割方法が相続税額を軽減!

遺産の分割のしかたを工夫することでまず相続税が軽減されます。それは最初の相続(1次相続)だけでなく、配偶者に相続が起きたとき(2次相続)の相続税もしかりです。
また相続するのは財産だけではありません。債務の承継のしかたで所得税にも影響がでることがあります。
遺産分割をおこなう場合は、広範囲に考えて実行することが必要となります。
次に簡単なポイントを挙げてみましょう。

遺産分割を広範囲に考える具体例

例1:配偶者の税額軽減を活用する

配偶者には、相続税の計算で特例が置かれています。これは、法定相続分まで税金がかからないといったものです。また、仮に法定相続分を超えても1億6,000万円までの遺産の相続なら相続税がゼロです。
例えば、5億円の遺産があり、相続人が配偶者と子2人だとすると、配偶者の法定相続分は2分の1ですので、配偶者は2億5,000万円までの相続なら税金がかからないのです。
次に、2億円の遺産の場合を考えてみると、配偶者の法定相続分は同様に2分の1ですから、1億円ということになりますが、仮に1億円を超えて1億6,000万円までの相続なら税金はかかりません。
子にはこのような特例がないので、普通に相続税がかかってしまいます。配偶者の税額軽減の特例をうまく使うことが、まず第一歩です。

例2:次の相続を考えて遺産分割をおこなう

将来値上がりが予想される土地、例えば開発が進んでいるような場所に隣接する土地、近隣に駅ができることが予定されている土地、広い道路が通る予定の場所に近い土地、といったようなものは、次の相続(2次相続)を考慮し、配偶者以外の子が相続する方が有利と考えられます。
仮に、最初の相続(1次相続)でA土地(1億円・2次相続では2億円)とB土地(1億円・2次相続でも1億円)があったとします。このようなケースで、配偶者がA土地を相続した場合とB土地を相続した場合の差は2次相続時点で1億円となります。
相続税率を30%とすると、1億円×30%で、3,000万円もの相続税の差が発生することになります。

例3:業務用資産にひも付きの借入金は、相続した人が承継する

テナントビル、アパートなどの業務用資産に対応する借入金の利息は、相続した方の不動産所得の計算では、必要経費にできます。ただ、この場合、業務用資産を相続した人と借入金を承継した人が同一であることが必要です。
例えば、業務用資産をAさん、Bさんの2人で2分の1づつ相続し、借入金を承継したのはAさんのみのような場合、必要経費になるのはAさんが相続した分に対応する2分の1のみです。 Bさんの相続に対応する部分は、家事費となって必要経費にはならないので、所得税の負担が増加してしまいます。遺産の分割時にこの点も考慮することが必要です。

理由3:申告後の税務調査で否認を受けないために!

国税庁の発表している相続税の税務調査の統計によると、1件当たりの否認額の平均は約4,000万円のようです。各申告内容によって税率はさまざまですが、仮に税率が30%だとすると、4,000万円×30%=1,200万円となり、同額の相続税の追加納付が必要となります。そればかりでなく、加算税、延滞税といった税金も上乗せになります。
相続税の調査で否認を受けないための第一番目は、申告前にどれだけ相続財産の内容を的確に把握できるかにかかっています。
特に名義預金、名義株(名義は相続人や親族の方でも、実際の所有は亡くなった被相続人)の判定は調査でももめるところですので、申告前にその確認が必要です。要は被相続人の財産と相続人たちの財産を明確に区分してわかっていることが必要で、調査時にもその区分をうまく説明できるようにしておくことが大切です。相続人の方はできるだけ、ご自分の財産の形成過程を把握しておくことをおすすめします。
相続税調査というと、一見、亡くなられた方の調査と思いがちですが、実際は亡くなられた方と相続人たちの両方の調査になります。
例えば、亡くなられた方の銀行預金から1週間前に1,000万円引き出しがあったとします。これは亡くなられた方の調査でわかりますが、大事なのはそのお金がどこに行ったかです。それを探すために相続人たちの調査(例えば相続人の銀行口座)が必要になるわけです。
次に、財産の評価で判断に迷うようなケースは、あらゆる場合を想定し、そのリスクを考えます。問題が大きい場合(多額の税額の差が出るような場合)は事前に課税当局に文書で照会することも有効です。
また、問題になりそうなポイントについては、実際に調査になった場合にすぐ提示できるよう、必要な資料を準備しておくことも重要になります。

OAG税理士法人では、経験豊富なスタッフが将来の調査を見込みながら申告書の作成をおこない、また、一貫して税務調査の対応もおこなっています。